アミノ酸の力で
地球にやさしい畜産へ貢献
アミノ酸は、すべての生き物にとって不可欠な栄養素。
家畜に与える一般的な飼料穀物では不足しがちなアミノ酸を効率よく補うことで、
食糧・環境問題にも貢献します。
アミノ酸とは?
アミノ酸はタンパク質の構成成分であり、20種類のアミノ酸がつながってタンパク質はできています。
牛の体や牛乳、胎子はほとんどタンパク質から構成されているので、牛の筋肉・骨・内臓の維持、牛乳の生産、胎子の成長のためには、ウシ体内でアミノ酸からタンパク質を生産することが必要です。中でも、体内で合成することができず、飼料からしか摂取することができないアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、飼料からこの10種類の必須アミノ酸をバランスよく供給してあげることが重要となります。
アミノ酸のバランス
必須アミノ酸のうち、不足しているアミノ酸があると、そのアミノ酸の充足度がタンパク質生産の制限となります。一方で、その他の過剰なアミノ酸は有効に使えず、主に尿中に排泄されてしまいます。 不足しがちなアミノ酸を飼料に加えると、その充足度に応じてタンパク質生産が向上、他のアミノ酸も有効に使うことができるようになります。
乳牛のポテンシャルを最大限に引き出すには、アミノ酸をバランスよく供給してあげることが必要です。
AjiPro®-Lを活用した持続可能な畜産の実現
世界の温室効果ガス(GHG)排出源の第1位と第2位は石炭と石油ですが、第3位は意外にも牛からの排泄物やげっぷです※1。石炭や石油からのGHG排出量削減は技術開発や政策的な取り組みが進んでいる一方で、牛からのGHG排出量削減は相対的に遅れており、大きな機会があります。
当社は味の素グループのアミノサイエンス®に基づいて開発された牛用アミノ酸リジン製剤「AjiPro®-L」を活用し、この課題解決に貢献します。「AjiPro®-L」は独自の造粒技術により、牛の生育過程で最も不足しやすい必須アミノ酸の一つであるリジンを効果的に牛の体内に届けられるよう開発された製品です。「AjiPro®-L」を使用し、不足するアミノ酸を補い飼料中のアミノ酸バランスを整えることで、牛の生産性の維持・向上や健康の維持に役立つだけでなく、牛から排出されるメタンや一酸化二窒素の削減、また飼料中の大豆かすの調達に関わる二酸化炭素(CO2)の削減が可能となります。これら全てをCO2に換算すると、牛一頭当たり年間約1トンのGHG排出量削減が見込まれ※2、2030年に向けて年間約100万トンのGHG排出量削減を視野に入れて取り組みを進めています。
日本においては、明治グループとの協業により、酪農・乳業におけるGHG排出量削減と経済価値創出を同時に実現する、「AjiPro®-L」を活用したJ-クレジット制度プロジェクトを推進しています。また、当社は鹿児島県および県内の畜産関係団体等と、肉用牛・乳用牛飼養におけるGHG排出量削減と産業振興を図るため連携協定を締結しており、鹿児島県は、「AjiPro®-L」を活用したGHG排出量削減ソリューションを採用して、県内の複数の畜産関係団体・畜産事業者・大学・金融機関等と連携して取り組みを実施することでGX(グリーン・トランスフォーメーション)を推進しています。
グローバルでの協業も進めており、フランスのダノン社と戦略的パートナーシップを開始しました。このような「AjiPro®-L」を活用した当社のバリューチェーンを超えたGHG削減(削減貢献量)の取り組みが、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)より評価され、WBCSDのプラットフォーム「Use Case Pilot(事例集)※3」に「AjiPro®-L」が公開されました(2025年4月)。これにより、当社ソリューションならびにGHG削減のインパクトが明示されました。続いて、削減貢献量に関するガイダンス文書が、2025年9月に公開されました。
※1. Our World in Data ※2. 農家の飼料設計等により削減量は変化。
※3. http://www.wbcsd.org/wp-content/uploads/2025/04/Agrifood-sector-low-carbon-solution-for-dairy-beef-production.pdf